前回、やりたいことが出来ないのは「やりたいことが出来ない状態でいる方が都合がよく、出来ない理由を延々と探し続けるからだ」というお話をしました。今日は「出来ない理由探しの無限ループ」を解消するコツを書いてみたいと思います。
前回の記事をまだ読まれていない方、「やりたいことが出来ないままでいる状態」を無意識に求めてしまっている…そんな心のカラクリについての記事です。↓
愛情表現について知ろう
「かわいそう」「大変だね」という言葉は、どんなときに相手にかけますか?心配したり、いたわったり、本当に気の毒に思ったりするときですよね。
つまり「愛情表現」なんですね。
「かわいそう」「大変だね」という言葉で「愛情」をもらっているのです。これ自体は、悪いことではありませんが、「やりたいことが出来ないこと」とどのように関係しているのか見ていきたいと思います。
人の愛情をどこに感じるのかを紐解く
愚痴を言うことは、心の健康を保つためにも悪いことではありません。しかし、ご自身の会話の中で、誰かに自分の大変な状況を話して、「それは大変だね~」と言ってもらう分量がもし多かったら、ちょっと立ち止まって考えてみませんか?
もしかして、「大変だねって言われることに喜びを感じていないか?」と。
次の点を読んで、想像してみてください。(一時的に大変な状況に陥ることは誰にでもあり得るので、長期的にそうなっていないかどうかという視点で考えてみてください)
- 「すごいね、活躍しているね」と言われたとき、素直に受け止められずにむずがゆい
- 褒められると、「そんなことないよ~」って本気で感じてしまう
- 「大変だね、つらいね」と分かってもらえたときばかり喜びを感じてしまう
つまり「大変な状況にあるとき」の方が、自分にとって喜びを感じられる出来事がたくさん起きるので、あえてそこにとどまる「努力」をしてしまうということなのです…!
自分が褒められている姿を想像しただけでムズムズするなら、今は「いい状況である自分」や「やりたいことを実現して活躍している自分」に抵抗感がある証拠。
表面で「いい状況になりたいのに!」と思っていても、「なりたいのに、なれない!」という状況の自分を楽しんでしまっているのです…
「やりたいことを実現し、エンジョイしている自分」が叶ってしまうと、「つらいよねー、大変だよねー」という形の「人の愛情」がもらえなくなってしまうと信じてしまっているのですね。
いろいろなタイプの愛情表現がある
確かに、人の活躍をよく思わない人もいますし、「大変な状況のとき」だけ声をかけて、活躍していると「あ、この人はもう助けなくても大丈夫だな」または「活躍しているから別の世界に行っちゃったんだな」と声をかけなくなる人もいます。
これはつまり、あなたがやりたいことをやり始めると、今いる仲間は離れていく可能性もあるということ。「かわいそうなあなた、大変なあなたを構いたい人たち」と、「大変だねって言ってくれる人との会話が心地いいあなた」の利害が一致しているのです。
でも、離れていったとしたら、それでいいのです。もしそうなったら、いい傾向だと思ってください。
逆に「活躍しているあなたが好きで、称賛の声をかける」という人もいるんですよ!!「愛情表現」が違うタイプなんですね。ちょっと聞こえが悪かったかもしれませんが、「大変なあなたを構いたい人たち」が悪いのではありません。
「大変な状況の人に寄り添えるタイプ」
と
「活躍している人をさらに後押しするタイプ」
それぞれ「役割」が違うのですね。
あなたが弱っているときは、寄り添ってくれる人の言葉も必要です。でも、いつまでもいつまでも、その人たちの「寄り添う心」をもらうことが目的になってしまい、寄り添ってもらうために「できない理由」を探し続けているのなら、次のステップに進むことが難しくなってしまいます。
無限ループを解消しよう
「出来ない理由探しの無限ループ」を打開するには
それを打開するには、
- 褒められたときに、謙遜せず思い切り喜ぶ
- 返事は「大したことないよ」などではなく「ありがとう!嬉しい!」
- どんなに抵抗があっても、嬉しいんだ!褒められることはいいことなんだ!
と言い聞かせるのです。
褒められている自分の方が「正解」であると、スイッチを切り替える。
そうすると、「大変だね」と言われることが心地いい状態から、「すごいね、素敵だね」と言われることが心地よくなります。つまり、「できない自分でいる状態」ではなく「できる自分でいる状態」の方が心地いいという心の状態に変わっていきます。
そこまで来れば、「大変な自分」「やりたいことがやれなくて気の毒な自分」でい続ける必要がなくなります。「やりたいことが出来ない理由」はもう探さなくてもいいのです。
「褒められるためだけ」にならないように
ポイントは、きちんと「できない状態のままでいたいメカニズム」を認識し、それを解消しようと決意してから、「褒められグセ」をつけること。そうでないと「承認欲求」だけで動くようになってしまうからです。
よく分からず苦しいまま、「褒められよう」とすると、それは単なる痛み止めになってしまいます。例えば「頭痛」は、何かが原因になって起きていますよね。一時的に痛み止めで頭痛を押さえることはできますが、頭痛の根本原因を突き止めなければまた同じような頭痛が起きる…と同じ状態です。
認めてもらうことを「痛み止め」にするのではなく、「サプリメント」にするのです。あくまでも、動くのは自分の「やりたい」という気持ちから。「褒められたいから」という気持ちは、それで頑張れるところもありますから、持っていても構わないものですが、それだけが動機にならないように気を付けたいところです。
まとめ
少し複雑な心のメカニズムを私なりに分析してみましたが、ポイントを以下にまとめました。
- 「大変だね、かわいそうだね」と言われたときと、「すごいね」と言われたときのどちらに喜びを覚えるか考えてみましょう
- 長期的な視点で考えて、「大変だね」と言われると喜びを感じる「クセ」が付いてしまっていたら、褒められたときに無理にでも喜ぶ「クセ」に修正しましょう(※一時的に大変な状況に置かれているときは別です、「クセ、習慣」になってしまっているかどうかがポイント)
- 承認欲求は大切なモチベーションですが、褒められるためだけに行動しないように気を付けましょう
時にはネガティブになることもOKだと思います。ただ、そこになぜとどまり続けてしまうのか分からないのが一番苦しいので、すぐに軌道修正できなかったとしても、「そういうメカニズムなのか」と知るだけでも大きな前進です。
少しずつ「褒められる喜び」も楽しめるようになり、やりたいことが出来ない理由探しの無限ループから脱却し、やりたいことを素直に出来るようになったらいいですね!
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