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Preplyで日本語を教えています。オンライン日本語教師、国際結婚、英語学習など。

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【留学】理想と違った点は?#2 英語の上達編!留学しても話せるようにならない?

投稿日:2019年3月23日 更新日:




海外に住んだら自動的に英語ペラペラになると思っていませんか?例え英語圏に住んでいても、語学学校に通っても、そんなに劇的には英語力は向上しません。。

前回に引き続き、私のロンドン留学の経験を踏まえ、理想と現実とで違っていた点をお話していきます。今回は「英語の上達」編。前回の記事はこちら↓

【留学】理想と違った点は?#1 語学学校編!現実とのギャップへの対処法も!

理想と現実にギャップがあったこと

イギリスに行って割とすぐの頃、1年間の留学をもうすぐ終えるという日本人と会いましたが、英語がほとんど話せていなかったことにショックを受けました…これも大きな「理想と現実のギャップ」でした。当時はあまり留学事情なども知らなかったので、1年もいたらペラペラになるんだろうと思っていました。

大きすぎる期待と、「行けば何とかなる」という考えを持って行くと、痛い目に遭います。。が、必要以上に恐れる必要もありません。何か参考になれば幸いです。

 3年間の英会話学習、歯が立たず

私は日本で3年間、イギリス人のベテランの先生に英会話を習い、そこそこ会話のキャッチボールが出来るようになったなあと思った頃に留学しました。

しかし、現地に行くと、

  • 先生のような英語を話す人ばかりではない…
  • 色んな国のアクセントが飛び交っている…
  • 習った言い回しではない…
  • ゆっくり話してはくれない…

現地の「多様な英語」に戸惑ってしまいました。しかし、これが、私が「ネイティブの英語だけが英語ではない」と提唱するようになった理由です。

英語を始めた頃は、「きれいなネイティブ英語を習いたい!」と思うのですが、実際にはこの「多様な英語」に慣れることが、グローバル社会で活躍するカギになりますし、よく考えたら自分も「多様な英語を話す1人」なのです。

「より分かりやすい英語を話すように心がけること」と「ネイティブ英語を崇拝すること」は似て非なるものだと実感したのでした。

「先生のような英語を話す人ばかりではない」と「ゆっくり話してはくれない」の件については特に理想とのギャップとして感じやすいポイントなので、次の項目に書いてみたいと思います。

「先生のような英語」は期待しない方がいい

日本で教えているネイティブ講師は、日本人の発音のクセや間違いやすい点をよく知っています。

しかし、イギリスに住んでいる人たちはよほど日本に興味がない限り、日本人がどんな英語の発音をして、こういう間違いをしたときはこういうことを言いたいのだろう、などと汲み取ることが出来ません。

ですから、結構頑張って発音しても

Pardon?(何とおっしゃいましたか?)

の連続…。意地悪な人に至っては「What?」です。これは心折れまくりでした。

今やだれが「外国人」か分からない

「私はどう見ても外国人なのに、先生と違ってゆっくり話してくれたりしないんだな…」というのも少し思いました。(今思うと、イギリス社会を全然知りませんでした。)

イギリスは多民族国家。イギリスに長年住んでいるアジア系の人もたくさんいます。見た目が「外国人」だからと言って、いきなり子供に話しかけるようにゆっくり英語を話したら、逆に失礼になってしまいかねません。こちらからお願いしない限り、長年住んでいる人と同じように扱われるのです。

最初は英語もつたないでしょうし、分からないと認めるのも辛いのですが、分からないことは分かったふりをせずに

Could you speak more slowly, please?(もう少しゆっくり話していただけますか?)※語尾は上げ気味で。

とお願いしてみましょう。私ならI'm not so good at English...(英語がそんなに得意ではなくて…)とかもうちょっと言い訳します笑

結論:必要以上に恐れなくてもいい

英語力はあくまで、コミュニケーションを円滑に進めるための、便利ツール。資格試験の点数が高かったり、ものすごい文法の知識を持っていても、それを使いこなせなければ意味はないと思っています。便利ツールを使いこなすためのスキルが「コミュニケーション力」です。

完璧な英語を話していても、声が小さくて聞き取りにくかったり、笑顔がなくて感じが悪かったら、相手も「この人とは話したくない」と思ってしまいますよね。それでは、英語力が高くても、コミュニケーション力が高いとは言えません。

英語の知識は、学習を継続していれば身に付きます。15年以上勉強している私が断言します。留学期間は「コミュニケーション力」を磨く時間にしてください。机に向かうことも大事かもしれませんが、友達と飲みに行ったり、現地の人と繋がる何かを見つけてみてください。

私は現地で音楽を演奏したりしています。ギャラを貰ったりしない限り、問題にはなりません。そういう地域のサークルに参加するのもまたコミュニケーション力を磨くための貴重な経験ですよ!

 

 「英語が下手になってる気がする」問題

そういった環境で打ちのめされまくり…留学生同士で話していて話題に上ったのが「イギリスに来てから英語が全く上達していない、むしろ下手になっている気がする」という感覚。

もう、これ、みんなで共感しまくりでした!!

これを分析してみると、

  • 留学前に描いていた英語上達のグラフより緩やかなので、後退しているようにすら感じる
  • 自分の下手さを痛感させられるほど、英語を話す機会があるという証拠
  • ヨーロッパ人は母国語が英語の文法に似ている上にトーク力があるので、比較して落ち込んでしまう

などが挙げられます。これらについて考察してみます。

理想よりはすぐに伸びない

思い描いていた上達の理想よりも伸びない原因はいくつかあると思います。

  • 語学学校は思ったより文法重視で会話の分量が少ない(前回の記事参照)
  • 留学前に持っていた期待値が高すぎた
  • 覚えたことをスムーズに使えるようになるまでにタイムラグがある

私もそうだったのですが、「海外に行けば、飛躍的に英語力が伸びる」と期待してしまっていました。「高すぎる期待値」が頭の中にあるので、全然伸びていないということに焦りを感じたのでしょう。

日本にいる時よりは確実に長時間英語に触れているのですが、「それがしっかり定着して、考えずに使えるようになる」までにまた更にタイムラグがあります。そこが「英語圏にいるのに、勉強しているのに、全然結果が出ない…」と焦るもう一つの原因だったかなと思います。

これから留学される方は、ちょっとがっかりかもしれませんが、「海外に行っても英語力はすぐには伸びない」ということは頭の片隅に置いておいて欲しいかなと個人的には思います。理想と現実のギャップで留学生活が嫌になってしまってはもったいないので、「そういうものか」と割り切るのもどこか大切かもしれません。

「下手なまま話す期間」は必ず通る道

先ほども書きましたが、留学はコミュニケーション力を磨く貴重な時間です。そのためには、最初は「今持っている武器」(語彙力や文法の知識、発音)で戦うしかないのです。

Pardon?と言われまくって初めて「ああ、自分の発音は分かりにくいのだ」と気付けますし、上手く話せず詰まってしまう場面に何度も遭遇すると「知らない言い方で詰まってしまうより、簡単でもいいから言い換えをしていこう」と心がけるようになります。

恥もかくし、泣きたくなることばかりですが、振り返ると、上達のために必ずこの「痛い経験」はしないといけないかもなあ、、と感じます。

(もちろん、「英語は一切話せなくてOK、海外を体験してみたいだけ」という考えならばそれはそれでいいと思います!そういう友人もいました。)

日本人や韓国人は英語が不利で当然

語学学校で衝撃を受けることの一つに、「ヨーロッパ系、例えばイタリア人や、スペイン語話者の人たちはどんどん発言するし、英語も流暢に聞こえる」ということがあります。同じレベルのクラスにいるのに、何でこんなにも違うんだろう…と落ち込んでしまいます。

しかし彼らは英語と文法も似ているし、同じ文字を使っています。文法も文字も全然違う日本語や韓国語がいかに英語とかけ離れているか…それを考えたら、英語学習が不利であって当然なのです。それなのに読み書きは出来て、ある程度しっかりとした文法の知識もあるなんて、むしろすごいとすら思います。

それに、ペラペラに聞こえるクラスメートも、よーく聞くと日本人はやらないような間違い方をしていたりします。

クラスは違いましたが、イタリア人の女の子が "I am ..." を "I is ..." と、堂々と話していました。こういう文法事項は、日本人なら「英語が話せない」という人でも知っていますよね。堂々と話すだけでそれっぽく聞こえるものなのだな、と逆に感心してしまいました。。つまり、

  • 他国の英語学習者とは単純比較出来ない
  • 得意分野と苦手分野がそれぞれ違う

ということ。日本人にも強みがありますから、必要以上に落ち込まないようにしてくださいね。

 

 でも予想以上に「英語が話せない人」も住んでいる

イギリスは多民族国家で、色々なルーツを持つ人たちが住んでいることはご存知の方も多いと思いますが、みんながみんなイギリス生まれイギリス育ちというわけではなく、「イギリスに住んではいるが、英語は苦手」という人は留学生だけに限らないのです。

イギリス滞在中に観たテレビ番組で、イギリスに住んでいながらも英語がほとんど話せないという人たちに焦点を当てた番組が印象的でした。

話せない理由や状況はそれぞれで、同じ国出身の人達とばかり関わっているからという人もいれば、難民キャンプ出身で1~10の数字を英語で言うのが精一杯という人もいました。

「日本人は英語が話せない」と委縮してしまい、外に出るのも億劫になってしまう留学生も少なくありません。でも、英語が話せない人は思いのほかたくさんいて、それぞれ何とかイギリス社会で生きています。それが問題かどうかはここでは言及しませんが、英語圏の人は「多様な英語」は聞き慣れているので、完璧に話せないから恥ずかしいなんてことはありません。

日本も国際化が進んできましたが、まだまだ海外から来た方への配慮が出来ているとは言えないかもしれません。海外に出て文化や言語の多様性を学ぶと、日本にいたときには気付かなかったこと、日本でまだまだ導入できていないこと等が見えるようになると思います。

英語だけでなく、そういったこともたくさん吸収して、本当のグローバル人材を目指していきたいですね。

 

あとがき

「海外に行ったとしても、地道にコツコツと、なのかあ~~」とガッカリしてしまいましたか?でも、恵まれた環境で、地道にコツコツやれば、タイムラグはあれども必ず結果は出ます!

「あれ?なんか話せてる気がする…」という感覚は突然来たりするので、焦ったり自分を責めたりせずに、疲れたら「まあ、そんなもんか」と開き直って、たまには日本語も話したりして気分転換してくださいね。

次回は、「海外生活編」。「日本人は日本人とばかり行動するってよく言うけど、本当?」など、私の経験を交えてお話したいと思います。

(2019.3.25 次記事のリンク追加↓)

【留学】理想と違った点は?#3 海外生活編!お金は実はかからない?友達はなかなかできない?!

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