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蚊が媒介する感染症#1 マラリア・ジカ熱・黄熱病など。ワクチンがないものも?!

投稿日:2018年2月12日 更新日:




こんにちは。以前、海外に渡航される方向けに、黄熱の予防接種について、そしてA型肝炎などの感染症について書きました。

感染症の感染経路はいろいろありますが、「蚊が媒介する感染症」というのがなかなか厄介で…私もタンザニアで蚊対策には結構悩まされました。

ということで今回は、蚊が媒介する感染症から身を守るために覚えておきたい知識と、予防のためのグッズを2回に渡って紹介してみようと思います。

アジア・アフリカ・中南米旅行に行かれる方は、感染症に関しては特に気になる部分かと思いますが、昨今日本でもデング熱が発生しましたし、海外から感染症が持ち込まれることも考えられますので、海外へのご旅行の予定がない方も、ご自身やお子さんを守るためにもご一読いただけたら幸いです。

 

蚊が媒介する感染症について

先日、海外渡航に向けた黄熱ワクチンやその他の予防接種について書きました。

【アジア・アフリカ・中南米】予防接種の種類と選び方。感染症が心配なら受けよう!

上記の記事では、予防接種で防げる病気を取り上げましたが、恐ろしい感染症でありながら、予防接種や治療法が確立されていない病気もたくさんあります。

今回は、予防接種等があるものも含め、蚊が媒介する感染症に焦点を当て、どんなものがあるのかを紹介します。

日本国内でも発生した蚊が媒介する感染症

デング熱

デング熱(英語:dengue fever)は、2014年夏に、日本国内で感染した例が出たことで話題になりました。2013年までは「輸入感染」と呼ばれる、流行地域で感染したと思われるケースでしたが、2014年にはついに海外渡航歴のない「国内感染」が発生しました。

2014年の例は特殊なケースだと思われるかもしれませんが、実は日本でも1942から1945年にかけて、神戸・大阪・広島・呉・佐世保・長崎などで約20万人に上る温帯地域最大のデング熱流行が発生したことがあるんです。

毎年100~200例前後、症例も報告されており、流行地域(熱帯・亜熱帯地域、東南アジア、南アジア、中南米、カリブ海諸国、アフリカ、オーストラリア(北部)、中国(南部)、台湾)に渡航する人はもちろん注意が必要ですが、海外旅行の予定がなくても国内で発生する危険性は常にあるということです。

症状

感染経路は、デングウイルスを持っている蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)に刺されることで感染しますが、人から人へ感染することはありません。
潜伏期間は3~7日(最大14日)、急激な発熱でデング熱を発症。発熱、発
疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの症状が出ます。不顕性感染と呼ばれる、症状が出ない場合や、発熱以外の症状が出ないこともあるようです。2~7日で解熱するそうですが、1週間も高熱で苦しむのはつらいですね…。
重症化するとデング出血熱やデングショック症候群という状態に陥る患者が数%ほどいるそうなのでとにかく蚊に刺されないよう注意しましょう。

対策

ワクチンや治療法がないので、蚊に刺されないようディートやイカリジン(ピカリジン)が含まれた虫よけを使いましょう。

ワクチンで防げる、蚊が媒介する感染症

黄熱

黄熱(英語:yellow fever)は、アフリカと中南米の熱帯地域で流行している、蚊(主にネッタイシマカ)に刺されることでかかる感染症です。通常3~6日の潜伏期間の後、発熱や寒気、頭痛、筋肉痛、吐き気などの症状が出ます。

黄熱は、1回の予防接種で生涯有効の免疫が付きます。接種証明書の提示を義務付けている国がありますので、渡航先が該当しているか確認が必要です。

接種料金は日本全国どこで受けても一律11,800円です。最寄りの検疫所に申し込みます。

黄熱の予防接種を受けたときの話をこちらに書きました↓

黄熱の予防接種、費用や副反応(副作用)について。地方在住の方は日程要注意!

黄熱(黄熱病)ワクチンを実際に予約し、接種するまでの流れ。

日本脳炎

日本脳炎(英語:Japanese encephalitis)は、アジア諸国で広く流行している感染症で、潜伏期間は6~16日間とされ、高熱、頭痛、嘔吐などで発病、意識障害やけいれんが起き、後遺症が残ることもあります。人から人へは感染しませんが、ウイルスを持つブタを刺した蚊から人に感染するそうです。

子供のころ定期接種を受けた記憶がありますが、有効期間は3~4年といわれているそうで、追加接種が推奨されています。

【アジア・アフリカ・中南米】予防接種の種類と選び方。感染症が心配なら受けよう!

ワクチンはないが予防薬がある感染症

マラリア

マラリア(英語:malaria、「マレイリア」に近い発音)は、蚊が媒介する感染症でも最も有名なもののひとつですね。マラリアは、マラリア原虫をもった(ハマダラカ属)に刺されることで感染する病気です。世界中の熱帯・亜熱帯地域で流行しており、1年間に約2億人以上の人が感染している、感染者がとても多い病気です。

1週間から4週間ほどの潜伏期間をおいて、発熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛などの症状が出ます。ですので、渡航先で感染し帰国してから発症する「輸入感染」が日本でも発生しています。

マラリアには4種類(熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリア)あり、熱帯熱マラリアは発症から24時間以内に治療しないと重症化しますので注意が必要です。

マラリアにはマラロン、メフロキン(メファキン)などの予防薬がありますが、マラリア予防薬は安くない上、渡航前・渡航中・帰国後と全期間に渡って飲み続けないといけないという特徴があります。また、日本人も多く訪れる熱帯アジア(タイ、ミャンマー、カンボジアなど)ではメフロキン耐性マラリアがあり、メフロキン(メファキン)はマラロンに比べて副作用が強いそうなのですが、マラロンは高価(1錠800円前後のようです)な上に毎日服用しなければなりませんので、長期滞在ではかなりのコストがかかります。

そういった理由から、個人では判断が難しいので、マラリア感染の危険がある国に渡航される方は、トラベルクリニックなどマラリア予防薬を取り扱っている医療機関に相談されることをおすすめします。

ワクチン・予防薬も治療法もないもの

ウエストナイル熱(英語:West Nile fever)

ウエストナイル熱は、アフリカ、ヨーロッパ、中東、中央アジア、西アジアなど広い地域に分布しています。感染した人の約8割が、症状が出ない不顕性感染で終わり、発症しても発熱、頭痛、筋肉痛、発疹、リンパ腫症など軽症で1週間程度で回復するそうです。重篤化するのは感染者の約1%で、対処療法しかありませんので虫よけ剤を使用し蚊に刺されないようにします。

ジカ熱(英語:Zika fever)

ジカ熱(ジカウイルス感染症)は近年話題になった感染症の一つです。カリブ海・中南米地域が中心ですが、北米やアフリカ、東南アジアなどでも感染が確認されています。

症状自体は軽く、軽度の発熱、発疹、結膜炎、筋肉痛、関節痛、倦怠感、頭痛などで、症状が出なかったり、症状が軽いため気付かないこともあるのだとか。

しかし、妊娠中にジカウイルスに感染すると、小頭症(脳と頭の未発達を伴う先天性障害)の子供が生まれる可能性があるので、妊娠されている方、妊娠の可能性がある方は、該当地域への渡航を慎重に検討しなければなりません。

ジカ熱(ジカウイルス感染症)も対処療法しかありませんので、蚊に刺されないように細心の注意を払うようにします。

チクングニア熱(英語:Chikungunya fever)

チクングニア熱は、アジアやアフリカの熱帯・亜熱帯が流行地域だったことに加え、最近では中南米地域での感染拡大が目立っています。

症状がデング熱やウエストナイル熱に似ており、発熱、関節炎、発疹が起こります。症状が重篤化することは稀のようですが、関節の痛みが月単位や年単位で続くことがあるとのことなので、感染は避けたいですね。

こちらもワクチンや予防薬がないため、蚊に刺されないように気を付けるしかありません。

 

海外感染症についてのオススメ書籍

蚊が媒介する感染症の話を読んで、ちょっと心配になっちゃった…という方にオススメの一冊はこちら。蚊が媒介する感染症だけでなく、世界の感染症の現状、予防接種の最新情報が掲載されています。特に、国内外のワクチンについて紹介されており、

  • 日本で承認され、市販されているもの
  • 日本で承認されているが、市販されていないもの
  • 海外では使用されているが、日本では未承認で市販されていないもの

と分類して解説されています。ここでは紹介しきれなかった情報も書かれていますので、感染症が心配される地域に渡航される方はぜひ読んでみてください。

とはいえ、一番いいのは「蚊に刺されないこと」です( ;∀;)

蚊は、黄熱やマラリアなどさまざまな恐ろしい感染症を媒介するので、「蚊よけ」に全力を注ぎましょう。

ということで次回は、現在日本で認可されている「ディート」や「イカリジン(またはピカリジンとも)」という成分を含んだ、蚊などに有効な虫よけについてご紹介していきます。

蚊が媒介する感染症#2 虫よけ成分ディート、イカリジンとは?蚊対策グッズ紹介!

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