前回は、人に何かをやってもらうときの答え方Yes, pleaseやNo, thank youについて学びました。
今回も「英語の返事」シリーズ第二弾で、日本語とは答え方が真逆になるパターンについて見てみたいと思います。
英語を話すとき、ついつい日本語を直訳して考えてしまいます。「ちょっと不自然」ぐらいなら意味をくみ取ってもらえますが、「意味が真逆」になってしまうと、誤解が生じてしまいますので、注意しましょう。
答え方の前に、文法事項の確認をしたいと思います。
Yes / Noで答える疑問文はどれ?
質問を投げかける文章の「疑問文」ですが、いくつかのタイプがあります。
基本的には、
- Do you...? / Did you...? (一般動詞)
- Are you...? / Were you...? (be動詞)
- Can you...? / Could you...? (助動詞)
など、いわゆる「5W1Hの疑問詞」(WhatやWhereなど)が頭に付かない質問には、Yes Noで答えます。
【例1】
Can you attend today's meeting?
今日の会議出られますか?
- Yes, I can.(はい、出られます。)
- No, I can't.(いいえ、出られません。)
【例2】
Did you go to New York last weekend?
先週末ニューヨークに行きましたか?
- Yes, I did. (はい、行きました。)
- No, I didn't. (いいえ、行きませんでした。)
これは通常の答え方(日本語の意味と同じ)でOKなります。
問題は、次の項目で出てくるような質問のされ方です。
YesとNoが逆になる?!
これは、英会話の中で最も注意しなければならないポイントの一つと私は考えます。2パターンありますので、見てみましょう。
1. 否定形で聞かれた場合
「否定形の疑問文で聞かれたときは、返答の仕方が日本語と逆になる…」
こんなことを習ったのを覚えていますか?日本語と英語を比較してみます。
【日本語】空港などで
ナイフは持っていませんよね?
- はい、持っていないです。
【英語】At the airport
You don't have any knives, do you?(注1)
- No, I don't.
日本語は「はい」、英語は「No」ですが、どちらも意味は同じで「持っていません」を表していますね。日本語では「はい」と答える場面なので、"Yes"と言いたくなってしまい、とても間違えやすいポイントです。
先ほどの英文をあえて直訳すると、
持っていないですよね? - いいえ、持っていないです。
日本語にすると、ちょっと変な感じです。
英語の場合、「持っていますか?」と通常通り聞かれても、「持っていませんね?」と否定の形で聞かれても、「持っていない」と否定の返事をしたいとき、つまり、
自分の返答が「否定を表すとき」は、
"No"
で答えると覚えておきましょう。
私はまだ英語に慣れていないとき、実際に似たような質問をイギリスの博物館で聞かれ、
「ハサミなどは持っていないですよね?」
「はい、持っていないです」
のつもりで、Yesと答えてしまったのです。
これでは、「はい、持っています」の意味になっていまいます!
気付いて慌てて直したので事なきを得ましたが、これが空港の保安検査だったらちょっとひと悶着あるかもしれませんのでご注意ください…
注1)実際に使われる否定形の質問は「付加疑問文」が多い
「否定形の疑問文」は
- Don't you ... ?
- Aren't you ... ?
- Can't you ... ?
ですが、ちょっと強めの言い方に感じます。
Aren't you interested in tennis?
テニスに興味がないの?
これは、
「え?!テニスに興味がないの?!信じられない!」
みたいなニュアンスに聞こえてしまいます。
親しい間柄で、冗談を言い合う感じならOKですが、あまりこの言い方は使わない方がいいかもしれません。
実際に使われるのが、注1の例文「付加疑問文」というもの。
あらかじめ知っていることや、当然であることなどを、念のため確認する聞き方。日本語にすると、「~ですよね?」という意味になります。
You don't have any knives, do you?
主語は同じものを使い、一番後ろに持っていきます。最初のdon'tはdoに直します。
2. 言いまわしの意味が日本語と逆の場合
また、日本語と逆の返答になるパターンとしては、こういったものもあります。
【日本語】
窓を開けてもいい?
- うん、いいよ。
【英語】
Do you mind opening the window?
- No, I don't.
答え方は真逆ですが、どちらも同じことを意味しているんです!
これは、先ほどの「否定形で聞かれている」とは違い、意味の違いとなりますが、日本語だと「開けてもいい?」という意味で使われる言い回しは、英語では、
「~することを気にしますか?(こうしたら嫌ですか?)」
なのです。
ですから、
No, I don't.
いや、気にしないよ。
と答えるのが正解。
「うん、開けてもいいよ」という感覚で"Yes"と答えてしまうと、
うん、嫌だな~。
という意味になってしまいますので、注意してください。本当に「うん、嫌だな~」と答えたいときは"Yes, I do."になります。(Sorryなどを付けた方がいいかもしれません。)
まとめ
今日のポイントは、
- 「~じゃないですよね?」のように否定形で聞かれたときは、日本語とは答え方が逆になるので注意
- "Do you mind...?" のように、言いまわしの意味が日本語と逆になる場合は答え方に注意
です。
例文に出てきた空港の質問のようなシチュエーションでは、誤解が生じるとまずいこともあります。(「刃物を持っています」と取れるような答え方をしてしまうなど)
だんだん慣れてきますが、つい間違えそうになるので注意しましょう。
(追記)英語の間違いあるあるも書いています↓
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