オンラインで日本語を教えてみたいけれど、未経験・無資格だと不安…そんな声をよく聞きます。でも大丈夫。「学びながら教える」姿勢と、「必要な情報にすぐアクセスできるスキル」があれば、生徒さんも満足してくれます。
今回は、未経験・無資格からオンライン日本語講師を目指す人に向けて、「最低限知っておきたいこと」をまとめました!
1. 文法の専門家になる必要はない。でも最低限の用語は知っておこう
学校で習った「国語の文法」と、外国人に教える「日本語の文法」はちょっと違います。
たとえば、下記の太字のような用語を使います。
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イ形容詞:たのしい、さむい、はやい など
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ナ形容詞:しずか、きれい、へた など(※国語の授業では「形容動詞」と習いますが、日本語教育の場では「形容動詞」という言葉は使いません)
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動詞の活用:ます形(たべます)、辞書形(たべる)、て形(たべて)、ない形(たべない)など
こういった言葉が、授業の中で頻繁に出てきます。「イ形容詞」「ナ形容詞」「て形」「ない形」などは聞きなれないですが、学習者にとってはその方が分かりやすいんですよね。
日本語学習者向けの教科書には、こういった文法用語が出てきますので、日本人が国語で習ったいわゆる「学校文法」の用語を使ってしまうと、大混乱は免れません…。ここはぜひ押さえておいてほしいところです。
とはいえ、文法書を全部マスターする必要はありません。実際のレッスンでは、理屈で説明するよりも、例示の方が効果的です。頻繁に使うのは形容詞や動詞の活用のあたりの用語なので、それらの文法用語は確認しておくとよいでしょう。
2. JLPT(日本語能力試験)
オンラインレッスンを始めると、よく生徒からこんな質問をされます。
「JLPT N4を受けたいんですが…」
「N5の漢字を練習したいです」
JLPTとは、「Japanese Language Proficiency Test(日本語能力試験)」のこと。日本語を学ぶ多くの生徒にとって、大きな目標のひとつです。
試験は「N5(初級)〜N1(最上級)」の5段階に分かれており、数字が小さいほど難易度が高くなります。
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N5・N4 → 初級(基本的な文法や語彙)
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N3 → 中級(日常会話がある程度できる)
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N2・N1 → 上級(ビジネスや学術的な日本語)
試験の構成や出題傾向を知っておくと、JLPT対策レッスンにも対応しやすくなります。参考書を1冊持っておくと便利ですよ。
3. プラットフォームの操作に慣れよう!講師は「教えるだけ」じゃない
オンライン講師として活動するためには、レッスン内容だけでなく「プラットフォームの使い方」にも慣れておく必要があります。
Preplyの特徴
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サブスクリプション制で、長期的に学ぶ生徒が多い
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同じ時間帯で繰り返し予約されやすい「週間レッスン」機能あり
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プロフィールが充実していると生徒から選ばれやすい
iTalkiの特徴
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単発でのレッスン予約が中心
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教材をアップロードしたり、生徒とのメッセージ機能が充実
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「コミュニティ」で記事投稿なども可能
※ iTalkiは手数料が低く使いやすいのですが、講師登録者数が多いため、募集に制限をかけています。毎週月曜日に各言語の講師の募集があるかどうか発表されるので、サイトを毎週チェックしましょう。
ポイント: 生徒として一度レッスンを受けてみると、操作感や流れが体感できてとても参考になりますよ!↓
4. 「わからない」は恥じゃない。素直さと工夫があなたの強みになる!
経験が浅いうちは、「こんな質問されたらどうしよう…」と不安になりますよね。でも、講師だって全部を知っているわけではありません。
わからないときは、正直に「調べてお伝えしますね」と言いましょう。
誠実に対応する姿勢は、生徒の信頼につながります。
また、ネット上には日本語学習に役立つ情報がたくさんあります。自分で調べて分かったことを、次のレッスンでシェアすれば、それだけで立派な学びになります。
ブックマークや辞書、参考サイトを整理しておくと、咄嗟の質問にも安心して対応できますよ。
5. 専門家じゃなくていい。「あなたにしかできないレッスン」を見つけよう
たしかに、専門的な日本語教育が必要な生徒もいます。でも、全員がそういうレッスンを求めているわけではありません。
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アニメやゲームについて話しながら、楽しく学びたい人
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旅行前に簡単なフレーズを覚えたい人
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日本語で雑談を楽しみたい人
こういった生徒にとって大事なのは、「楽しく続けられるかどうか」です。
あなたが持っている趣味・経験・言語スキルも、立派な強みです。職務経験もそうですね。日本語の専門家でないからこそ、近い目線で寄り添えることもあると私は感じています!
(余談になりますが、私が参加した日本語パートナーズなんかは、「生徒に近い存在」を求めていることもあり、日本語教育未経験の人も積極的に採用していますよ!)
まとめ
オンライン日本語講師は、資格や経験がなくても始められる仕事です。でも、その中で長く続けていくためには、学び続ける姿勢と柔軟な対応力が求められます。
最低限の文法用語、JLPTの知識、プラットフォームの使い方…それらを少しずつ押さえていけば、あなたのレッスンは必ず魅力的なものになります。
完璧じゃなくていい。でも、前向きな姿勢を忘れずに!あなたらしいレッスンが、一番の武器です!